福島県伊達市 "ほどよい田舎"に来てみませんか?

伊達の魂のビート「霊山太鼓」の魅力(その2)

元伊達市地域おこし支援員の浜田です。

新コーナーとして始まった「伊達の魅力つれづれ紀行」ですが、第1弾は“霊山(りょうぜん)町民の魂のビート”である霊山(りょうぜん)太鼓(だいこ)の魅力についてお届けしています。前半は、霊山太鼓の歴史や独特な特徴などを書いてきましたが、後半では伊達市の夏を彩る一大イベントである「霊山太鼓まつり」の話を中心に、ここ数10年で変わってきた伝承太鼓の新たな動きや今後の展望などについて書いてみようと思います。

5.霊山太鼓まつりの開催と新たな動き

毎年8月の後半、暑い夏の締めくくりして霊山の各地区の叩き手たちを一斉に介した「霊山大鼓まつり」が開催され、会場には内外から大変多くの観客が集まる伊達市最大のイベントとなります。

(会場は当初は霊山こどもの村に始まり、現在は保原中央公園で開催されています)

太鼓まつり(霊山こどもの村)

太鼓まつり(保原中央公園)

霊山太鼓まつりの歴史はそれほど古くなく今から37年前、それまで各地区で個別に活動していた太鼓演奏を一同に集め、霊山太鼓を大きな祭りとして盛り上げたらどうかという町(旧霊山町)の提案があり、各保存会との調整を経て第1回を開催する運びとなりました。

前述のとおり、そうはいっても当初各地区の叩き方がそれぞれ異なり、全体で太鼓を合わせるという事は大変難しかったようです。そもそも合わせる事自体各地区保存会のプライドが許さないところがあったかもしれません。ただこの祭りが始まった事を契機に、霊山町の各地区の太鼓の叩き方を少しずつ統一していこうという機運がでてきました。そして、現在の霊山太鼓の地区を超えた統一された演奏スタイルにまとまっていきました。

また、流派が統一された事によって、各地区の保存会から選抜された霊山太鼓のエリート集団が結成されました。「遠征組」として全国各地で太鼓を演奏し、霊山太鼓の魅力発信に努めておられます。

霊山太鼓まつりでは約30100台の太鼓が一同に集結します。最大の見せ場は全太鼓が参加する「同時打ち」。各叩き手たちの叩くリズムが連動し、地の底からうねりをあげるような響きの共鳴体感は参加したものでないとわからない至福の時です。

また、この祭りには霊山を離れていった子供や若者たちも叩き手として外から多く里帰りし、霊山の住民・OBの皆様の心が一つになる素晴らしいイベントとなります。

(残念ながら昨年と今年はコロナウィルス拡大の影響でイベントは中止となりました。早期にコロナ禍が沈静化し、再び盛大に開催されんことを祈るばかりです。)

*霊山太鼓まつりの様子

①第28回霊山太鼓祭り(2012年、霊山中央交流館前)

https://www.youtube.com/watch?v=CQe7_7mytck&t=99s

 ②第35回霊山太鼓祭り(2019年、保原総合公園)

https://www.youtube.com/watch?v=NO-xBXLVo0E

 6.今後の霊山太鼓に期待する事

これまで申し上げた通り、「霊山太鼓」は伊達発の全国に誇れる素晴らしい伝承太鼓です。

ただ、「遠征組」の方々も頑張っていらっしゃいますが、まだまだ全国的にはその知名度は決して高いものではありません。この伝承太鼓をもっと全国に広める事によって、霊山太鼓だけではなく、伊達市全体の知名度・関心度・好感度も上がってくるのではないかと思います。

そのためにはどうすれば良いか?よそ者が考える荒唐無稽な考えかもしれませんが、以下の事を提案したいと思います。

  • 見る聞くイベントから参加型イベントへのシフト

霊山太鼓祭りには、毎年数万もの多くのお客様が観客として参加されています。それ自体はありがたい限りなのですが、私自身の経験から、現状の太鼓の演奏を見る/聞くだけのスタンスから実際に太鼓を叩いて参加した方が、その楽しさは倍増します。未経験者がいきなり叩く事は難しいと思いますが、練習ができるワークショップコーナーなどを設けるなどして、少しでも太鼓の輪の中に観客の方も加わりやすいイベントにしていく事で、霊山太鼓のファン層はグッと高まっていくと思います。また前述のようにその黒人的ビート感はきっと外国人の方にもすごく喜ばれるはずです。太鼓を通じての国際交流というのも今後おおいに可能性はあると思います。

  • リモートでの霊山太鼓ワークショップの開催

このコロナ禍の影響で全国のリアルなイベント開催が軒並み中止となりましたが、この流れのなかで新たに注目されてきたのは、ネット環境を活用したリモートでの活動です。霊山太鼓の素晴らしさを全国の方々により体感していくためには、このリモート配信という追い風を使わない手はないと思っています。

現在、伝統和太鼓演奏のワークショップをリモートで開催している団体がちらほらでてきています。ワークショップを受けるには当然各自太鼓やバチの所有が必要となりますが、本物ではなく段ボールなどから作った簡易な“消音太鼓”をキットとして販売しているところもあります。またワークショップを通じ“太鼓がうまくなる”だけでなく、叩く動き自体をエクササイズとして組み込み健康志向の方にも訴求する試みもでてきました(実際、太鼓ワークショップをすると肩が軽くなったといった声も聞いています)。

一筋縄ではいかないところも多々あると思いますが、霊山太鼓のリモートワークショップ、
是非検討頂きたいものです。

以上で、「伊達の魅力つれづれ紀行」の第1弾、2回にわたりお届けしました霊山太鼓の魅力の紹介は終了です。今回を通して少しでも伊達市の魂のビート「霊山太鼓」の魅力を感じて頂ければ幸甚です。ご一読ありがとうございました。

この記事を書いた人

浜田 和彦
山口県出身。
30年以上勤務した東京のIT企業を退職後、2018年7月に伊達市の地域おこし支援員として赴任。
主に担当地区(霊山町大石地区)の魅力発掘や、山案内人として名峰霊山のプロモーション活動を実施。
地域おこし支援員は2021年6月末で3年間の任期を終了。7月より「かもしか創生舎」として独立し、伊達地域を中心とした新たな地域おこし活動を推進中。
趣味:楽器演奏(バンド活動)、街道歩き
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